カラスノゴマの実
10月中旬、放棄水田に面した雑木林の林縁に、カラスノゴマCorchoropsis crenataがひっそりと生えていた。カラスノゴマ属Corchoropsisは東アジアに1種があるだけの小さな属で、旧分類ではシナノキ科に入れられていたが、現在はアオイ科に移されている。花の時期であれば黄色い花が目立つが、それ以外は一見、特徴のない地味な植物なので見過ごしてしまいそうだ。しかし、よく観察して見ると果実や種子も面白い形をしている。
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互生する卵形の葉の腋から、細長い果実が垂れ下がる。
11月中旬、葉はすでに落ちて残った茎に果実だけが垂れ下がっていた。
果実は細長い豆のような朔果で、基部に5枚のがく片が残っている。果皮が中の種子をぴったりと包み込んでいるため、ところどころ、くびれているのが特徴である。表面にはまばらな毛が生えている。
乾燥すると果皮が裂けて中の種子が姿を現す。この段階では、果皮のくびれた部分はまだつながっており、途切れ途切れに裂けた奇妙な形である。さらに乾燥が進むと、果皮は完全に3枚に裂けて種子が散布される。
果皮を割いて、中の種子を出したところ。くねくねと曲がった胎座の中軸に種子が垂れ下がるように着いている様子がわかる。薄茶色の部分が外果皮で、白く見える膜状の部分は内果皮と隔壁であろう。
種子は長さ3.5mm、やや平坦な卵形で表面に縞状の模様があり、ハエの蛹を連想させる奇妙な形だ。
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カラスノゴマはシーボルトが日本植物誌*の中で新属新種として記載した植物で、同書には、花と果実の解剖図が載っている。クネクネと曲がる胎座の中軸と、白い内果皮と隔壁によって区切られた果実の内部、および特徴的な種子がわかりやすく書かれている。
*Siebold, P.F. von & Zuccarini, J.G., 1843, Plantarum, quas in Japonica collegit.